子どもの誕生は祝われるのに、その過程は隠される
性欲があるのは決して悪いことではない。なぜ隠したがるのか
本来、性に強者、弱者という関係は存在してはならないものです。避けることのできない上下の関係を利用して、自分のゆがんだ性欲を満足させようとする強者の精神構造はいったいどこからくるのでしょう。これも、前頭葉の発達を間違えた結果なのでしょうか。豊かさに溺れ、ハングリー精神を忘れると、人は物とお金にふりまわされ、本来の生命感覚を失います。「土の香りから遠ざかった文明は滅びる」といいますが、人間の社会は、正常な生の感覚を失い、正常な性の営みを忘れ、くるった性欲感覚が横行し始めています。
後戻り可能なうちに、もう一度見つめ直し、正常な脳の発達を促さなければいけないのではないでしょうか。女の物語。崩れゆく一夫一婦制神話。招かれて結婚式に出席すると、招待客の何人かは必ず、一日も早い二世の誕生を待っていますという言葉を口にします。それは、新しいカップルの性的な関係が強く結ばれることを願っての言葉ではありません。
男は結婚によって夫になり、妻が子どもを生むことで父親になるわけですが、夫と父親との差はひじょうに大きいのです。とくに、文明社会においては、婚姻を強要する圧力も大きいのですが、それと同時に父親になることの要求も大きいのです。夫は生物的な存在にすぎませんが、父親は社会的な存在だからです。つまり、結婚という制度が、経済や社会的な配慮に基づいてなされてきたために、父親が重視されてきたのです。父権は、家制度とともに確立しました。家には家長がいて、権力を持っていましたが、その家長の座につくのは父親でした。
夫の側に、人問的な触れ合いを求める心がなく、まるで排泄作業であるかのようなセックスでよしとしているなら、出産をきっかけに、性交渉がなくなってしまうのも当然という気がします。家庭という形だけ整えればそれでいいというわけでしょう。セックスをめんどくさいと感じ、妻はオーガズムのふりをするのに疲れて、セックスレスの夫婦が誕生しました。
最近話題になったのが、『義務と演技』というテレビドラマだったことでも、それが世の中の風潮であることがわかります。しかし、さらに深刻な事態になっていると思われるのは、新婚インポテンツが増えてきたらしいということです。インポテンツの総数のうち、三〇パーセントを占める百万人もの夫が、結婚当初からセックスレスになってしまっているという勘定です。
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